プランニング・・・・家の設計をするにあたりまず最初にすることはお施主様のご要望を
ヒアリングすることから始まります。(お医者さんのように問診表が頭の中にあります。)

次に敷地調査を行ないます。・・・・近隣の家の位置関係など窓同士が重ならないか?
駐車場の位置や施設の調査(給水や排水・電柱など・・・)土地の傾斜や樹木の位置

土の固さや種類 砂質土なのか粘土質か?道路や隣地との高低差など・・・敷地は
真北からどの程度傾いているのか?風はどの方向から吹いてくるのか?光は?

庭をどこに設けるべきか?庭とリビングの関係は?道路からの視線をさえぎることが
できているか?洗濯物をどこに干すべきか?などなど・・・・・・

さまざまな想いを持って敷地調査を行います。

その上でプランニングに入っていきます。もちろん予算も考えながら・・・構造を考えながら
・・・・エレベーションはどうか?メイン道路からの見栄えはかっこいいか?
環境や近隣住宅とのバランスはどうか?

鉛筆を走らせていると、何度も立ち止まってしまうことがあります。原因は何か?
ご要望に矛盾している部分があるのか?アイディア不足か?どちらを優先すべきか?
取捨選択を迫られることもあります。

そして最善のプランが出来上がっていきます。この時間が私は大好きです。
建築の仕事の中でもお打ち合わせの時間や・現場を管理する時間・積算をする時間
さまざまにありますがプランニングをしているときが結構好きです。

この基本設計がそのご家族が長年にわたって住まわれる器になりますし、その器の
中で喜怒哀楽があり、それぞれの成長があり、想い出が蓄積されていくのです。

こんな注文住宅の仕事をして28年が過ぎました。過去を振り返りますと600件以上の
設計をしましたし、その分のお施主様にお会いし、勉強させられ、また、支えられました。

できているプランをあまりいろいろなことを考えずにただ配置していく大手のハウス
メーカーの出来上がった家を見るときに悲しさを感じることもたびたびあります。

最近近くにできた分譲住宅地はまさにそうでした。・・・・犬の散歩をしながらじっくりと
家並を見て回りますが、おそらく設計士も本意ではないのだろうという気がしてなりません。

企業の作り手側の立場に立った家作りは設計士も環境も破壊してしまっているような
気がして仕方ありません・・・・

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