最近の夏は毎年記録的な猛暑が続き、エアコンは健康な生活のために欠かせない設備になりつつあります。新築では1部屋に1台のエアコン設置も珍しくありませんが、台数が多くなると費用は少なくありません。
そこでぜひ検討してみたいのが、エアコン1台で住まい全体を管理する全館空調システム。今回は一般エアコンとくらべた全館空調システムのメリット・デメリットを紹介し、よくある疑問にお答えしていきます。
1.全館空調システムとは?
2.全館空調のメリット
3.全館空調のデメリットと対策
4.全館空調導入でよくあるギモン
5.全館空調はこんな方におすすめ
目次
1.全館空調システムとは?
まずは全館空調システムの基本的な特徴や、新築住宅との関係性などをチェックしていきましょう。
・エアコン一台で住まい全体を管理
全館空調システムとは、1台のエアコンですべての部屋の室温を一括管理することを指します。もともとビルや大型商業施設など大きな空間の空調で使われてきた技術ですが、効率の良さから一般住宅でも広がりつつあります。
・ハウスメーカー/工務店どちらが良いの?
全館空調は全国単位のハウスメーカーから工務店まで、さまざまな建築会社が扱っているため、どこに頼むべきか悩む方も多いようです。
結論としては、全館空調を扱っている実績と技術があればどの会社でも問題ありません。システム自体を開発しているのは空調メーカーなので、施工店に求められるのは設計の精度と技術だけです。
四季彩建設は全館空調に適した間取り・住宅性能も含めて考え、たくさんの実績をもとにサポートいたします。
・後付けだとコストがかかる
リフォームによる全館空調の後付けは不可能ではありませんが、住まい全体にダクトを張り巡らせるため大掛かりな工事が必要になります。天井・壁の解体や復旧で余計なコストがかかるため、導入するのであれば新築を建てるときがおすすめ。全館空調に適した間取りや配置を考えることで、建てたあとの光熱費節約にもつながります。これから建てる方は大きなチャンスですので、この後にお伝えする内容も踏まえてぜひ検討してみてください。
2.全館空調のメリット
続いて、全館空調システムのメリットをご紹介します。意外なメリットもたくさんありますので、新築エアコンの検討の参考にしてください。
・室内の温度差がなく快適
お家の中すべての部屋を常に空調するため温度差がなくなり、お部屋を移動する際の不快感を軽減できるのは大きなメリットです。夏場の2階に上がったときのモワッとした空気や、冬場の廊下に出たときのヒヤッと肌寒さがなく快適です。
冬場の温度差が原因で起こるヒートショック現象による健康被害を軽減できる点も見逃せないポイントです。
・室内機/室外機が少ないのでスッキリおしゃれ
最近の新築住宅は1部屋に1台のエアコンが基本になっているため、家の周囲にびっしり室外機が置かれている光景も珍しくありません。室外機はどうしても美観を損ねてしまいますから、おしゃれなカバーやフェンスで隠す人も多いですよね。
室外機が1台で済む全館空調は、外観がごちゃごちゃせずスッキリ仕上がります。たくさんの室外機で家の周りを通りづらくなることもありません。室内機も露出せずダクトの出入り口が付くだけなのでお部屋の中もスッキリ仕上がり、ホコリが溜まらない点もメリット。デザインにこだわりたい方にもおすすめです。
・大きな間取りの冷暖房効率が気にならない
家の中全体が常に一定の室温に保たれるため、大きな部屋を気にせず作れるのも全館空調システムのメリットです。吹き抜けやリビング階段の間取りは「冷暖房効率が悪くなる」と言われますが、もともと住まい全体を同時に管理する全館空調なら効率は変わりません。エアコンの効きや光熱費を気にすることなく、理想の間取りを作れるのは大きな魅力ですね。
・24時間稼働で帰宅時も快適
全館空調システムは少ないパワーで24時間稼働し続けるため、帰宅時のムワっとした暑さや底冷え感がありません。ワンちゃんやネコちゃんなどのペットが居るご家庭も、仕事や学校への外出中に安心できますね。
・エアコンと比べて音が静か
最近のエアコンは静粛性がアップしていますが、そもそもお部屋に本体がない全館空調システムはより静かなのが特徴。就寝時に小さな物音も気になる敏感な方も、ゆっくりと眠ることができますよ。
3.全館空調のデメリットと対策
メリットがたくさんある全館空調システムですが、デメリットも存在します。しっかり対策することで後悔を防ぐことができますので、よくチェックしましょう。
・システム設置費用が高い
全館空調システムは本体一台の設置で済みますが、各部屋に設置する一般的なエアコンと比べると価格は少し高めです。また、各部屋へのダクト配管が必要になるため、工事費と材料費も初期費用に含まれます。部屋数とエアコンの設置数にもよりますが、初期費用は一般的な空調より高くなることもあります。
【対策】⇒効率的なダクト配管を考える
本体の設置場所と全体の間取りにも配慮し、効率的なダクト配置をすることで材料費と工事費用を節約できます。ダクトが短くなれば稼働効率が良くなり、光熱費の軽減にもつながります。
・部屋ごとの温度設定ができない
1台で住まい全体の空調を管理する全館空調は、各部屋で温度設定を変えるのは難しいです。お部屋の位置や過ごす目的によって温度を変えることが難しいため、家族の誰かが我慢するケースもあるようです。
【対策】⇒補助暖房を活用する
特定の部屋が暑い・寒いと感じるときは、扇風機や小型のヒーターなど補助家電を活用しましょう。冬の足元が冷えるときは足元に電気ヒーターを使い、夏に暑さを感じたら扇風機を使うといった感じです。全館空調でお部屋の気温は快適な温度に近くなっていますので、少ないパワーで済むためさほど電気代はかからないでしょう。
・急な温度調整が難しい
全館空調システムは1台のエアコンで担当する体積が多いため、温度調整をしてから実際に室温が変化するまでは少し時間がかかります。慣れてくると早めの操作で対応することができますが、最初のうちは不便に感じることがあるかもしれません。
【対策】⇒断熱性・遮熱性に配慮する
住まいの断熱性能を上げると、冷暖房のパワーが外部に逃げづらくなって温度調節の感度がアップします。また、夏の太陽光を直接受ける屋根や、日光を透過する窓ガラスの遮熱性能をアップすれば、外部の影響を受けづらくなります。なるべく急な温度調節が必要ない室内環境を整えてあげることも、対策につながりますよ。
・冬場は乾燥しやすい
24時間稼働が基本となる全館空調システムは、空気が乾燥する冬場は室内も乾燥しやすくなります。これは一般的なエアコンやファンヒーターも同様ですが、就寝時も稼働するため、人によっては喉を傷めやすくなるケースもあるようです。
【対策】⇒調湿作用のある自然素材を活用
空調の乾燥対策としては加湿器や観葉植物なども有効ですが、新築なら調湿作用のある自然素材を使うのもおすすめです。
無垢フローリングやしっくいなどの自然素材には、周囲の湿度に応じて水分を吸放出する特性があります。お部屋全体に調湿作用を持たせることで、冬場も乾燥しにくく快適な空気を保ちやすくなります。お部屋の見た目をおしゃれに仕上げるのにも役立ちますので、快適で素敵なマイホームづくりにつながりますよ。
4.全館空調導入でよくあるギモン
戸建て住宅全体で見ると少数派の全館空調システムは、導入するにあたって疑問や不安を感じる方も少なくありません。よくある疑問をピックアップしてお応えしていきますね。
・つけっぱなしで電気代が高くなる?
24時間稼働が基本の全館空調システム、電気代が高くなるイメージは強いですよね。電気代問題については日照や間取り、ライフスタイルによっても変わるため一概には言えないのですが、住まい側の工夫で抑えることは可能です。
最も重要なのは住まいの断熱性・気密性で、住まい全体をぐるりと魔法瓶のように保温することで、外部の影響を受けずに少ないパワーで室温を維持できます。ただの箱に保冷剤を入るとすぐ溶けてしまいますが、断熱材の保冷ボックスに入れておけば溶けにくいのと同じ原理です。屋根・壁・床の断熱材や窓の気密性にこだわれば、少ない電気代で一年中快適な住まいも目指せます。四季彩建設は新築に使う断熱材にもこだわっていますので、夏・冬の電気代が気になる方もご相談ください。
・メンテナンスはどうなの?
24時間換気やダクトと聞くと大掛かりな機械というイメージがあり、メンテナンスの頻度や手間も気になるところ。
全館空調システムのメンテナンスについては、基本的に一般エアコンと大差ありません。使用頻度によって汚れたタイミングでダクトのフィルターをきれいにして、季節の変わり目に本体のフィルターをお掃除すればOK。各部屋にエアコンを設置する場合は一つずつフィルターを掃除する必要がありますので、そんなに変わらないですよね。全館空調システム自体はホテルやビルなどの大規模施設で長年使われている技術ですから、メンテナンスについてもしっかり考えられています。
・カビが生えることはないの?
家庭用エアコンやカーエアコンはカビ臭くなりやすく、プロの業者さんによるクリーニングサービスを利用する方も多いですよね。全館空調システムについても、カビによるニオイや健康被害の発生を心配する方が多いようです。
結論としては、全館空調だからカビが生えやすいということはありません。
エアコンにカビが生えるのは空気と本体内部の温度差による結露が原因ですが、この状態はスイッチを切った後に発生します。真夏の暑い部屋に冷たい飲み物が入ったコップを置いている状態をイメージして頂くとわかりやすいと思います。
24時間稼働する全館空調は本体とお部屋の温度差が少ないため結露が発生しにくく、カビは一般エアコンより生えづらいといえます。まったくカビが生えないことはありませんが、本体とダクトを正しく設置し、定期的な清掃を実施すれば問題ありません。
5.全館空調はこんな方におすすめ
最後に、全館空調システムのメリットが大きく、おすすめな方や利用シーンをまとめました。
- ・アレルギー/高齢の家族がいる
- ・冬の早起きが苦手…
- ・吹き抜けの大きなリビングをつくりたい
- ・ペットがいて日中留守になる
昔とくらべて機械の性能やメンテナンス性がアップしたことで、全館空調のメリットを感じるシーンも増えています。まだ少数派のエアコンシステムですが、これからの住まいづくりではぜひ検討してみてくださいね。
まとめ:茨城県で全館空調の家を建てるなら四季彩建設にご相談ください
今回は全館空調の特徴やメリットについて詳しくご紹介してきました。本体やダクトの設置のハードルが高い全館空調ですが、新築時なら少ない手間とコストで導入できますのでぜひ検討してみてください。
四季彩建設はたくさんの全館空調を設計した経験をもとに、ライフスタイルに合わせた快適な住まいプランをご提案します。年間10棟に限定した住まいづくりで、お客様のご要望をしっかり聞き取り、生活にピッタリなオーダーハウスを作るのが私たちの強み。おしゃれで快適な、世界にひとつだけのマイホームを私たちとつくってみませんか?
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