イギリスの気候と言えば、「雨」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
日本人の感覚では、「雨が降っていても、なぜ英国紳士は傘をささないのか」と不思議に思う方もいらっしゃることでしょう。
小雨のなかでも傘をささずに、トレンチコートやフード付きのアウターで歩く人々の姿は、イギリスならではの風景です。
そこでこの記事では、イギリスの雨に対する考え方、日本との文化の違いをひも解きます。
さらに、イギリスの雨との付き合い方から学ぶ、家づくりの工夫も見ていきましょう。
コラムのポイント
- 英国紳士が傘をささないのは、霧雨や強風、ステッキ文化など複数の背景があります。
- 「傘を持たない」ことに象徴されるように、自然を受け入れる合理的な考え方が根付いています。
- 日本とイギリスの傘文化の違いは、気候条件や雨に対する価値観から生まれています。
- 雨を避けるのではなく「暮らしに取り込む」姿勢が、イギリスのライフスタイルの特徴です。
- 工務店の家づくりにも、雨と共存する工夫や自然を楽しむ発想は参考になります。
目次
英国紳士が傘をささない理由
イギリスでは、「傘をあまり使わない」と耳にしたことはありませんか。
もちろん、傘を全く使わないわけではありませんが、日本に比べると頻度が低いと言われています。
その背景には、気候や文化、生活スタイルに根ざした理由がいくつかあるのです。
雨の降り方が日本に比べると穏やか
日本のように激しく降ることは少なく、霧雨や小雨が中心です。
多少濡れても気にならない程度の雨なら、傘を広げるより帽子やフードでやり過ごすのが自然と考えられています。
風の強さで傘が使いづらい
イギリスの多くの地域は風が強く、傘は壊れやすいため使いづらい場合があります。
その代わりに、防水コートやアウターが日常の必需品として根付いてきました。
天候の変化しやすさ
ロンドンは、「1日のうちに四季がある」と言われるほど天気が変化します。
晴れていてもすぐに雨が降る場合もあるため、傘を持ち歩いても役に立たないことが多いのです。
紳士文化とステッキの伝統
かつて英国紳士の装いには、傘ではなくステッキが欠かせませんでした。
ステッキを持つことが品格の象徴とされていることも、傘を持たない文化に影響している可能性があります。
公共交通の充実
都市部では地下鉄やバスが発達しており、屋外を長く歩かずに済むため「傘を持たなくても困らない」という合理的な考え方が広がっています。
このように、イギリスで傘があまり使われないのは「天候の特徴」「服装の文化」「都市生活の合理性」など、さまざまな要素が重なり生まれた文化です。
トレンチコートやフード付きアウターで代用
現代のイギリス人にとって、雨の日に役立つのは、傘よりもトレンチコートやフード付きアウターです。
トレンチコートはその代表例で、第一次世界大戦の軍用コートを起源に、防水性と機能美を備えた紳士の装いの定番となりました。
イギリスと日本の傘文化の違い
日本は雨が多い国であり、台風やゲリラ豪雨のように激しく降る雨が多いため、傘が必需品です。
駅やコンビニで気軽にビニール傘が手に入ったり、常に折りたたみ傘を持ち歩いたりと、雨への備えに余念がないのは日本ならではといえます。
一方、イギリスは雨量は多いものの、一度に激しく降ることが少ないため、傘を必要としない人もいるのです。
雨を自然の一部として受け入れる姿勢
「雨が降っても傘をささない国」と表現される背景には、気候の違いと、多少濡れても気にしない合理的な考え方があります。
イギリスでは「濡れること」を受け入れる考え方も、根強いのです。
雨で少し髪や服が濡れても、「自然の一部」として受け入れる姿勢が重視されます。
一方で、日本では「濡れないこと」が礼儀やマナーの一部として捉えられています。
この違いは、暮らしや住まい方の考え方にも影響するものです。
例えば、日本は雨を防ぐために庇や傘立てを工夫しますが、イギリスでは防水コートや室内乾燥の工夫で対応するのも特徴的です。
イギリスの「雨との付き合い方」から学ぶ家づくり
イギリス人が傘をささないのは「自然を避ける」のではなく「自然を受け入れる」発想の表れだとご紹介してきました。
この考え方は、日本の家づくりにも多くのヒントを与えてくれます。
イギリスの家には、レンガ造りの外壁や急勾配の屋根など、雨を自然に逃がす工夫が見られます。
特に切妻屋根やスレート瓦は、雨水がたまりにくく、強い風を受けてもダメージを軽減できる合理的な形状です。
雨が多い気候が、景観的にも美しい街並みを形づくってきたと言えます。
この章では、日本の家づくりにも取り入れやすいアイデアをご紹介します。
雨が降っても快適な家づくり|玄関まわりの工夫
雨の日に快適に出入りできるよう、玄関ポーチや庇を深めに設けることも一つのアイデアです。
また、レインコートや長靴を収納できるシューズクロークがあれば、傘だけでなく他の雨具を使いやすくなります。
傘立てだけでなく「濡れたものを乾かす」スペースを設ければ雨の日も快適です。
雨が降っても快適な家づくり|素材と設計の工夫
イギリスのコートが防水性や耐久性にすぐれているように、住まいにも耐水性と通気性を兼ね備えた素材を選ぶことが重要です。
たとえば、外壁や屋根には、雨に強く風通しを確保しやすい建材を使うことで、雨と共存しやすい家になります。
また、乾燥や換気を意識した設計は、湿気が多い日本の梅雨対策としても有効です。
こちらの記事でも、設計の工夫として知っておきたい、イギリスの間取りについてお伝えしています。
合わせてごらんください。
【関連記事】素敵なイギリスの家の間取りに学ぶ|特徴・日本の家との違い・暮らしやすさの工夫を解説
雨が降っても快適な家づくり|暮らし方の工夫
「濡れても乾けばいい」といったおおらかな発想は、家のメンテナンスや日々の暮らし方にも応用できます。
例えば、ウッドデッキや中庭を設けて、雨の日も自然を楽しめる設計にするのも一案です。
雨音を心地よいBGMとして楽しむ空間づくりも、イギリス文化から学べるヒントではないでしょうか。
こちらの記事では、屋内外を緩やかにつなぐ、フロントガーデンについて詳しく解説しています。
合わせてごらんください。
【関連記事】イギリスの住宅にある「フロントガーデン」とは|英国風庭づくりの魅力・家と調和させるコツ
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まとめ|自然を暮らしに取り込む家づくり
この記事では、イギリスの雨に対する考え方、日本との文化の違い、イギリスの雨との付き合い方から見えてくる、家づくりの工夫を解説してきました。
イギリスにおける雨との付き合い方には、自然を拒まず暮らしに取り込む姿勢を学べます。
日本の家づくりでも、雨を避けるだけでなく「雨の日を楽しめる設計」や「自然との調和」を意識してみていはいかがでしょうか。
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