輸入住宅は、国産住宅と一味違うデザインや暮らしを実現できる点が魅力ですが、様々な事例がありどんな間取りにするか迷ってしまいがち。そこで今回は、輸入住宅で採用例が多い人気のデザインや間取りを詳しくご紹介します。写真付きの施行事例も掲載しますので、ぜひ家づくりの参考にしてください。
■輸入住宅で人気の間取り・デザイン
欧米由来の輸入住宅で採用例が多い、人気の間取りやデザインをピックアップしました。人気が高いということは暮らしやすさやおしゃれな意匠性などメリットが大きいということ。積極的に取り入れて理想の住まいづくりに役立てましょう。
・吹き抜け
1階から2階まで突き抜ける高い吹き抜け空間は、輸入住宅のデザインとマッチする人気の間取りプラン。土地が狭く床面積をギリギリまで活用する日本の住宅ではあまり採用されないため、輸入住宅らしさを感じやすい間取りです。断熱性能の高い輸入住宅なら、広い空間でも冷暖房効率をさほど気にする必要がないのも採用しやすいポイント。
フローリングや梁・柱などに無垢材を使用することが多い輸入住宅ですが、吹き抜けの大空間は無垢の質感をたっぷり盛り込めるのもメリットです。
・大開口のLDK
最近は国産の住宅でも一つなぎのLDKが一般的になってきていますが、そのような間取りはそもそも欧米の住宅が元となっています。海外の設計思想に基づいた輸入住宅には、家族が集まる広いLDKがよく合うため採用例が多いです。
先に挙げた吹き抜けと組み合わせて、広いLDKにさらに解放感を持たせるのも人気の組み合わせ。空間が広くなると内装材の組み合わせや照明の選択肢が増えるため、デザインのバリエーションが増えるのも良い点ですね。家族のライフスタイルに合わせた、世界に一つだけのLDKをデザインしやすくなります。
・薪ストーブ/煙突
そもそもヨーロッパに起源を持つ薪ストーブは、おしゃれな洋風デザインの代表格として人気のプランです。リビングに設置して暖かみのある雰囲気を演出し、自然に人が集まる間取りを作れるのも魅力ポイントです。
実用面でもエアコンやファンヒーターにはない自然な暖かさを得られ、一度体験するとやめられなくなるコアなファンの方も少なくありません。ストーブ自体が熱を持ち、輻射熱で建物全体が暖まるため暖房効果も高いです。
屋根に飛び出す煙突も外観上のおしゃれなアクセントになります。外壁や屋根に加えて、一気に輸入住宅らしさを感じることができるデザインです。
・曲線を活かした開口部
各部屋への出入り口や収納扉など、開口部や建具を曲線で仕上げるデザインも輸入住宅ならではの雰囲気といえるでしょう。一般的な国産住宅では角形の開口部がほとんどのため、一目で輸入住宅らしさを印象付けることができます。
各部屋への出入り口やLDKの下がり壁など、活用できるポイントが多いのも特徴。直線と曲線を使い分けるだけで空間に与える印象が大きく変わるため、デザインの方向性を調整する手段としても有効です。
・アイアン装飾
バルコニーの格子や階段の手すりなど、室内外に細身のアイアン装飾アイテムをあしらうのも人気のデザインです。最近の国産住宅は外観にアルミ材を使用するのが一般的ですが、アルミは強度を確保するためにどうしても厚みや幅が出てしまい複雑な造形もできません。シンプルで直線的なデザインはモダンデザインにはマッチしますが、暖かみのあるデザインが多い輸入住宅だと少し合わせるのが難しいです。
アイアン装飾はフレームや格子を細身に仕上げることができ、ねじりや彫刻デザインなどにも対応可能。様々なテイストに合わせておしゃれ度やかわいらしさをアップできます。外装で妻飾りのワンポイントに使ったり、室内窓にセットしたり使い方もたくさん。輸入住宅らしさを手軽に演出できるデザインなので、ぜひ取り入れてみてください。
・パントリー
キッチンの近くに収納力の高いパントリースペースを設けるのも採用例が多いです。調理器具や食器、お米や調味料など常温保存可能なものをパントリーにまとめれば、キッチンをすっきりさせることができます。対面やアイランド型などオープンタイプのキッチンと相性が良く、一緒に検討されることが多いです。
キッチンからの出入りだけではなく、外部への出入り口を設ければ買い物から帰ってきて荷物を直接運び入れることも可能。検討するときはガレージとの位置関係なども考慮して、使い勝手の良いパントリーを目指しましょう。
■輸入住宅の間取り実例
実際に建てられた輸入住宅の施工実例をご紹介します。海外由来のデザインを感じる部分や、日本の生活も採り入れている部分などに注目してみてください。
・施工事例1
階段と各部屋への出入り口はおしゃれな曲線の開口部にして、和室への入り口は四角い木枠のアクセントにした印象的な玄関ホールです。それぞれの空間に扉を設けずに広がりを持たせられるのは、家全体の断熱性が高い輸入住宅ならではの間取りです。赤いアクセントの折り上げ天井と豪華なシャンデリアも、本物の輸入住宅だからこそマッチしますね。
・施工事例2
大開口のLDKにあえて設けた腰高間仕切りは、アクセントとして空間を引き締めているほかダイニングテーブルやキッチンの生活感を程よく隠す効果もあります。壁面と同じホワイトに統一することで存在感が出すぎないようにバランスにも配慮しています。キッチンだけはタイル床に切り替えることで、同じ空間の中でゾーニングしつつキッチン自体もインテリアの一部になっています。
■輸入住宅の間取りを考える際のポイント
輸入住宅は間取り設計が難しいというイメージを持っている方も多いようですが、基本的には国産の住宅と同じです。ただし、細かい部分の違いやコツも存在しますので、プラン作りに取り組む前にぜひ覚えておきましょう。
・既存の常識にとらわれない
これから家を建てる世代の方は、日本の国産住宅で生まれ育った方が多いと思います。輸入住宅は基本的に海外の設計思想をもとにしているため、時には日本の常識を忘れるのも大切です。
例えば従来の国産住宅は冷暖房の効率を重視してLDKをコンパクトに造るケースがほとんどでした。対して寒さが厳しい欧米の住宅は昔から断熱性能を重視して家全体の保温性能が高かったため、大開口の広いLDKが基本となっています。こうした日本と海外の生活様式の違いはデザインや間取りの違いとして現れます。今までの常識にとらわれて設計すると輸入住宅の良さを生かしきれないことも。私たちが長く過ごしてきた日本の住宅とは、生活様式や性能が違うことを頭に入れておきましょう。
・現在の暮らし+理想の暮らしをイメージ
輸入住宅を検討されるお施主様は、あこがれのライフスタイルや叶えたい暮らしをお持ちの方が多いと思います。とはいえ、日本に建てる以上海外の暮らしをそのまま持ってくるのではなく、日本に合わせてカスタマイズすることが大切です。輸入住宅の間取りを検討する際は、現在の暮らしと理想の暮らしにバランスよく配慮すると日本でも暮らしやすい間取りを目指しやすいです。
プランの打ち合わせでは、叶えたい理想や暮らしのほか、現在の住まいの悩みや改善点など思ったことをどんどんお伝えいただくのがおすすめです。どんなことも住まいづくりのヒントになりますから、ふと思いついたこともメモを取るなどして、打ち合わせ時にお聞かせください。
・必要なら和も採り入れる
輸入住宅だからと言って、すべての生活様式を洋風に合わせることはありません。そもそもヨーロッパやアメリカでは室内でも靴のまま過ごすのが一般的で、根本的な生活様式が日本とは違います。畳の部屋や和モダンテイストなど、必要に応じて和式も採り入れていきましょう。
和室や畳のスペースがあると洗濯物を畳んだり、ちょっと横になって昼寝したりと多目的に使えます。わざわざベッドやソファを設置するとスペースが必要になってしまいますが、畳ならその必要もなく便利です。独立した和室を設計すれば全体のデザインには影響しませんし、和洋のデザインを程よくブレンドすることも可能です。ライフスタイルを検討してメリットが大きそうなら、積極的に取り入れてみましょう。
■おしゃれな事例を参考にするのがおすすめ
さまざまな間取りやデザインの例をご紹介しましたが、同じ間取りパターンでも広さやデザインによって全く違う印象になることも。家族に合わせたカスタマイズで住みやすい間取りにするためには、たくさんの施工事例を見てパターンを参考にするのが有効です。
また、モデルハウスを見学して実際の間取りをチェックするのも大変役立ちます。写真だけでは伝わらない生の雰囲気を体験すると、イメージ違いを防いで理想の住まいに近づきやすくなりますよ。四季彩建設は自社モデルハウスをご用意し、複数のデザインテイストや間取りをご確認いただけるようにしております。また実際にお施主様が建てた輸入住宅の完成見学会も随時開催していますので、積極的にご活用ください。
■まとめ
輸入住宅らしさを感じる間取りやデザインはたくさんのパターンがありますので、たくさん事例をチェックして良いものを採り入れていきましょう。家族構成やライフスタイルに合わせたカスタマイズで住みよい家にするため、どんな要望もお聞かせください。打ち合わせやセレクトも楽しみながら、わくわくするような理想の住まいづくりを進めていきましょう。
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