アーチ壁(R垂れ壁)は天井から曲線の壁が垂れ下がっている垂れ壁です。住宅の中には、間仕切壁では区切りたくないが、緩い区切りが欲しい場所が複数個所あることと思います。
カーテンやのれんなどの布類で緩く区切るよりすっきりし、内装のおしゃれな雰囲気を盛り上げます。新築時に必要な場所に設けておくとデザイン性も利便性も向上します。
コラムのポイント
- アーチ壁(R垂れ壁)は上部が半円形になっている垂れ壁です。
- 外観や内装のデザインに採り入れるとおしゃれな雰囲気を演出できます。
- アーチ壁(R垂れ壁)を採用する際は、住宅の外観や内装のテイストに調和させることが大切です。
目次
アーチ壁(R垂れ壁)・垂れ壁・三角壁の特徴と違い
垂れ壁には主に3種類のデザインがあり、デザインの違いで室内に与える影響が変わります。
アーチ壁(R垂れ壁)
上部が半円型にくりぬかれている壁です。ヨーロッパで古くからある垂れ壁のデザインで、ベルサイユ宮殿を参考に建築された迎賓館赤坂離宮にも、多数の場所にアーチ壁が使われています。
フレンチスタイルの住宅はもちろんですが、洋風なデザインの住宅全般に調和します。
迎賓館のアーチ壁はこちらからご覧になれます。和風別館では垂れ壁もご覧いただけます。
>>>内閣府 迎賓館赤坂離宮
垂れ壁(直線)
まっすぐな垂れ壁で、垂れている長さによって雰囲気や用途が変わります。和風住宅では床の間の上部に採用されることが多いです。
洋風な住宅では、対面キッチンの上部に設けて目隠しや油跳ねを防ぐ役割を担うこともあります。
三角壁(三角)
上部が三角形になっている垂れ壁です。垂れ壁(直線)がすっきりしてモダンな印象を生み出すのとは対照的に、可愛らしい雰囲気を演出します。
アーチ壁(R垂れ壁)を間取りに採り入れるメリット
アーチ壁(R垂れ壁)には、内装や外観の雰囲気を演出する、空間を緩やかに区切る、防煙壁になるなどの良さがあります。
華やかな雰囲気を演出する
フレンチスタイルなど海外風の住宅のデザイン性に、アーチ形の曲線が高級感のある華やかさを添えます。
緩い区切りになる
リビングとダイニングキッチンを間仕切壁で分断させたくはないが、緩い目隠しは欲しいという場合に、空間を柔らかに区切ります。アーチの長さや側面の幅で、視線の入り方の調整ができると共に、室内の雰囲気が変わります。
薪ストーブのあるリビングとダイニングキッチンを緩やかに区切るアーチ壁(R垂れ壁)です。
こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>【鹿島市】マンサード屋根の家
外観デザインを優しい雰囲気にする
窓や出入り口にアーチ壁(R垂れ壁)を使うことによって外観デザインに柔らかさ、優しさを与えます。
シンプルなアーチ壁(R垂れ壁)が木製玄関ドアの温かみを包み込み、玄関を雨や紫外線から守ります。
こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>【大子町】フレンチスタイル
実用的だけの雰囲気になりやすいガレージの入り口に設けることによって、外観のデザインが柔らかな印象になっている事例で、垂れ壁がガレージの扉を守る役割も果たしています。
こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>【水戸市】20191118-4
窓を覆うアーチ壁(R垂れ壁)は庇の役目も担い、窓とウッドデッキを陽射しや雨から守ります。
こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>【笠間市】夫婦二人で暮らす家
空気を循環させる
ドアを設けず垂れ壁にすることによって空気が循環する空間が拡がります。
断熱性の高い住宅は、家の中が魔法瓶のようになっている為、部屋を細かく区切らなくても涼しさと暖かさが家中に届きます。そして空気が循環する空間が拡がるほど、エアコンの設置数を少なくできます。
廊下への境目にドアを設けず垂れ壁にすると、空気の循環を遮りません。
こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>【石岡市】カバードポーチ付きアメリカンスタイル
50cm以上なら防煙壁になる
火災が発生した際、煙は上方に上がって留まり、その後に部屋全体に広がります。その為、天井から50cm以上下がっている垂れ壁には、上方に留まった煙をある程度閉じ込められるので、広がりを遅くする効果があります。
アーチ壁(R垂れ壁)のデメリットと注意点
直線の垂れ壁より、室内の雰囲気への影響が大きいです。デメリットを避ける為の注意点を考えてみましょう。
内装との調和への注意点
室内の雰囲気への影響が大きいというアーチ壁(R垂れ壁)の特徴は、インテリアに調和していればメリットになり、調和していなければデメリットになってしまいます。
三角の垂れ壁よりは調和するインテリアのテイストの範囲は広いですが、調和させることが難しい内装のテイストもあります。
住宅全体の雰囲気との調和を考えながら、アーチ壁(R垂れ壁)を採り入れるべきか、直線の垂れ壁にするのか、また、垂れ壁の色やアーチ部分の装飾などを決めていくことが大切です。
垂れ壁の長さと幅への注意点
部屋の面積に合った垂れ壁の幅や、下がる部分の長さを決めないと、圧迫感が出てしまう恐れがあります。
また、薄暗い部屋にしない為に、窓との位置関係を計算して下がる部分の長さと側面の幅を決める必要があります。加えて、照明の位置や照明器具の種類も並行して考えることが大切です。
区切りの目的への注意点
キッチン奥のパントリーとキッチンとの境目に設けるアーチ壁(R垂れ壁)と、リビングとダイニングの間に設けるアーチ壁(R垂れ壁)では、求める目隠し効果の割合が違ってきます。
パントリーとキッチンとの境目に設ける場合には、リビングからパントリーへの視線を遮りたいという目的があることと思います。
一方、リビングとダイニングの間に設ける場合は、目隠しというより、装飾的な枠でそれぞれの空間を囲むという目的で設けることが多いです。
それぞれの目的に合わせて、垂れ壁の下がっている部分の長さと側面の幅を決めることで、チグハグな感じの垂れ壁になってしまうことを避けられます。
パーテーションやカーテン、暖簾などとは違い、垂れ壁は新築後に撤去することは難しいです。
メリットだけを活かし、デメリットを生まないよう慎重に計画を進め、採用して良かったと思えるアーチ壁(R垂れ壁)にしましょう。
アーチ壁(R垂れ壁)の施工事例
室内のアーチ壁や外観のアーチ壁の施工事例をご紹介します。
レンガと組み合わせたアーチ壁(R垂れ壁)
外観にも内装にもレンガと組み合わせたアーチ壁(R垂れ壁)のあるティンバーフレームの住宅です。
パントリーの入り口にもレンガがあしらわれています。
こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>【日立市】ティンバーフレーム
リビングとダイニングの空間を緩やかに区切るアーチ壁(R垂れ壁)
ペットのお部屋の入り口もアーチ形です、
こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>【ひたちなか市】フレンチスタイル
窓と調和するアーチ壁(R垂れ壁)の玄関ポーチ
陽射しが溢れるアーチ壁(R垂れ壁)の窓の外観と内観です。
物語の中に迷い込んだような魅力のある小部屋を創り出しているアーチ壁です。
こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>【つくば市】ブリティッシュスタイル
アーチ壁の窓から明るい陽射しが届くリビングとダイニングの間のアーチ壁(R垂れ壁)
リビングとダイニングの間のアーチ壁(R垂れ壁)がダイニングキッチンには落ち着いた雰囲気、リビングには開放的な雰囲気を与えています。
ダウンライトとペンダントライトで明るいダイニングキッチン
こちらの事例を詳しくご覧いただけます。
>>>【つくば市】アメリカンスタイル
この他にもたくさんのアーチ壁のある施工事例がございます。ぜひご覧ください。
アーチ壁(R垂れ壁)のある家にしたいけれど、どのように採り入れたらイメージ通りの家になるのかしら…とお考えの際には、お気軽にご相談ください。
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