
イギリスのクリスマスは、12月25日を迎えるまでの時間も楽しむ、冬の大きな行事です。
石造りやレンガ造りの建物が並ぶ街にはイルミネーションが灯り、住宅の玄関にはモミやヒイラギのリース。窓越しに見えるクリスマスツリーの明かりも、冬の街並みを彩ります。
そしてクリスマス当日は、ご家族で食卓を囲み、プレゼントを開けたり、テレビを見たりしながら、家でゆっくりと過ごすのが伝統的なスタイルです。
こうしたイギリスのクリスマスには、季節の行事を楽しむ習慣だけでなく、住まいを心地よく整える工夫も見られます。
この記事では、イギリスの伝統的なクリスマスの過ごし方をたどりながら、窓辺の設計や照明、自然素材を生かしたインテリアなど、日本の家づくりにも取り入れたいアイデアをご紹介します。
このコラムを読んだら分かること
- イギリスのクリスマスの過ごし方と伝統的な習慣をご紹介します
- クリスマスを待つアドベントの楽しみ方を解説します
- クリスマス当日の料理や家族での過ごし方が分かります
- 英国住宅の窓辺や暖炉に見られるインテリアの特徴をお伝えします
- 季節の行事を楽しむ日本の住まいづくりの工夫をご紹介します
イギリスのクリスマスは家族と家で過ごす特別な一日

イギリスでは、クリスマスは一年のなかでも大きな行事のひとつです。
12月25日のクリスマス・デーには、ご家族や親しい方が集まり、時間をかけて食事を楽しみます。
日本ではクリスマスイブにレストランで食事をしたり、イルミネーションを見に出かけたりする過ごし方も人気ですが、イギリスではクリスマス当日を自宅で過ごす習慣が根付いています。
クリスマス・デーは祝日で、多くのお店が休業し、鉄道やバスなどの公共交通機関も、地域によってはほとんど運行されません。
そのため、食材やプレゼントは前もって準備し、当日はご家族との時間を楽しむ家庭が多くあります。
教会の礼拝に参加する方もいれば、宗教的な行事としてではなく、ご家族が集まる冬の休日として過ごす方もいらっしゃいます。
それぞれのご家庭に受け継がれてきた習慣があり、食卓に並ぶ料理や飾り付けにも、その家らしさが表れるのです。
こちらの記事では、イギリスのアフタヌーンティー文化や現在のスタイルについて解説しています。
あわせて、ごらんください。
【関連記事】イギリスのアフタヌーンティー文化を楽しむ|歴史・マナー・現在のスタイルまで解説
クリスマスを待つ時間も楽しむ「アドベント」の習慣

イギリスでは、クリスマス当日を迎えるまでの時間にも、さまざまな楽しみがあります。
そのひとつが、「アドベント」です。
アドベントは、キリスト教でクリスマスを迎える準備をする期間のことで、クリスマス前の4回の日曜日を含む時期に始まります。
この季節になると、家庭ではアドベントカレンダーを飾ったり、キャンドルを灯したりして、少しずつクリスマスを迎える準備を進めます。
毎朝ひとつずつ開けるアドベントカレンダー
アドベントカレンダーは、12月1日から24日までの日付が並んだカレンダーです。
小さな扉や引き出しを毎日ひとつずつ開けると、チョコレートやお菓子、かわいらしいイラストなどが現れるため、ワクワク感があります。
紙製のものだけでなく、木製の小さな引き出しを並べたものや、布のポケットが付いたものなど、デザインもさまざまです。
近年では、お茶や雑貨、化粧品などが入った大人向けのアドベントカレンダーも人気を集めています。
ご家庭で手づくりするなら、小さな袋にお菓子やメッセージを入れ、麻ひもで壁に吊るす方法も素敵ですね。
朝起きて今日の日付をひとつ開ける、そんな小さな習慣が、12月の朝をいつもとは少し違った特別な時間にしてくれます。
常緑樹のリースとキャンドルでクリスマスを迎える
アドベントの時期には、常緑樹の枝を使ったリースやキャンドルを飾る習慣もあります。
キリスト教の伝統では、アドベントの各日曜日にキャンドルを灯し、クリスマスが近づくことを感じながら過ごします。
ヒイラギやモミなど、冬にも緑を保つ植物は、古くからクリスマスの飾りに使われてきました。
玄関にリースを掛けたり、テーブルにモミの枝や松ぼっくりを飾ったりと、住まいに季節感をもたらします。
日本の住まいでは、火を使わないLEDキャンドルを選び、窓辺や飾り棚に小さな明かりを添える方法もおすすめです。
イギリスのクリスマスの飾り付け|家の中も外も季節の装いに

クリスマスが近づくと、イギリスの住宅にはさまざまな飾り付けが登場します。
その一例が、玄関扉のリース、リビングのクリスマスツリー、暖炉の上に飾られたガーランドです。
窓辺にも小さな明かりが灯り、室内の飾り付けが街並みの一部として溶け込みます。
代表的な飾り付けと、その特徴を見てみましょう。
| 飾り付け | 特徴 | 飾る場所 |
|---|---|---|
| クリスマスツリー | オーナメントやライトで飾る | リビングや窓辺 |
| クリスマスリース | モミやヒイラギなどの常緑樹を使う | 玄関扉や室内の壁 |
| ガーランド | 枝葉や木の実などをつなげて飾る | 暖炉まわりや棚の上 |
| フェアリーライト | 小さな電球を連ねた装飾照明 | ツリーや窓辺 |
| クリスマスストッキング | プレゼントを入れる靴下形の袋 | 暖炉まわりや壁面 |
家族の思い出が重なるクリスマスツリー
イギリスでは、リビングなどご家族が集まる場所にクリスマスツリーを飾ることも多いのが特徴です。
ガラスや木製のオーナメント、リボン、小さなライトなどを組み合わせ、思い思いに飾り付けるのが楽しみです。
毎年新しいオーナメントをひとつ買い足したり、お子様が幼い頃につくった飾りを大切に使い続けたりするご家庭もあります。
その年だけの華やかさではなく、年月とともに思い出が増えていくのも、クリスマスツリーの魅力ですね。
日本の住まいでツリーを飾るなら、リビングの一角や窓辺など、普段から目に入る場所がおすすめです。
新築時には、ツリーを置くスペースやコンセントの位置を考えておくと、毎年の飾り付けにも役立ちます。
玄関や暖炉まわりを彩るリースとガーランド
イギリスの住宅では、クリスマスになると玄関扉にリースを飾る光景が見られます。
モミやヒイラギ、松ぼっくり、赤い実などを組み合わせたリースは、冬の自然を感じさせる飾りです。
また、リビングの暖炉も、クリスマスの飾り付けを楽しむ場所のひとつで、暖炉の上にあるマントルピースには、ガーランドやキャンドル、クリスマスカードなどが並びます。
マントルピースは、暖炉のまわりに設けられる装飾的な棚や枠のことで、季節の飾りを置く場所としても親しまれています。
日本の住まいなら、玄関ホールの飾り棚やリビングのサイドボード、窓辺のカウンターなどに飾るのもおすすめです。
お気に入りの器にモミの枝を飾ったり、小さなオーナメントを添えたりと、季節に合わせて飾るものを変える楽しみが生まれます。
窓辺からこぼれるクリスマスの明かり
イギリスの冬は日が短く、12月には午後4時頃から暗くなる地域もあります。
そんな季節、窓辺に灯るクリスマスツリーやフェアリーライトの明かりは、冬の街並みを彩る風景です。
レンガの家の窓から、柔らかな明かりに照らされたツリーが見える。海外の映画や写真でもおなじみの光景ですね。
室内から眺めるだけでなく、外から見たときの美しさも、窓辺の飾り付けの楽しみです。
日本の住宅でも、窓辺に小さなライトを置いたり、ツリーを窓の近くに配置したりする方法があります。
その際は、カーテンの開閉や結露、電源コードの位置などにも配慮しましょう。
イギリスのクリスマス|当日は何をして過ごすのか

12月25日のクリスマス・デーは、イギリスの家庭にとって特別な一日です。
プレゼントを開け、クリスマスディナーを囲み、午後はテレビやゲームを楽しむなど、過ごし方はご家庭によってさまざまです。
クリスマスの一日は、家でゆっくり過ごすことを楽しみにしている方も、多くいらっしゃいます。
クリスマスの朝はプレゼントを開ける時間
クリスマスの朝、リビングのツリーの下には、ご家族へのプレゼントが並びます。
お子様がいるご家庭では、サンタクロースからの贈り物として、クリスマスストッキングにお菓子や小さなプレゼントを入れる習慣もあります。
朝起きてプレゼントを開け、家族で見せ合いながら過ごす時間は、クリスマスならではの楽しみです。
その後は朝食を取り、クリスマスディナーの準備を始めるなど、ご家庭それぞれの温かな時間が流れます。
ローストターキーを囲むクリスマスディナー
イギリスのクリスマスを代表する料理といえば、ローストターキーです。
七面鳥をオーブンでじっくり焼き、ローストポテトや芽キャベツ、ニンジンなどの野菜を添えます。
ほかにも、ベーコンを小さなソーセージに巻いて焼く「ピッグス・イン・ブランケッツ」や、グレイビーソース、クランベリーソースなどが食卓に並びます。
そして、デザートにはドライフルーツやスパイスを使ったクリスマスプディングも欠かせません。
ディナーという名前ですが、昼過ぎから午後にかけて食事を楽しむご家庭もあります。
食卓には、両端を引っ張って開ける「クリスマスクラッカー」を置く習慣もあり、中には紙の王冠や小さな贈り物、ジョークが書かれた紙などが入っており、食事の席をにぎやかにしてくれます。
時間をかけて料理を味わいながら、家族で会話を楽しむ、クリスマスディナーは、そんな団らんの時間そのものです
午後はテレビやゲームを楽しみながらゆっくりと
クリスマスディナーの後は、ソファでくつろぎながらテレビを見たり、家族でボードゲームを楽しんだりとゆっくりと過ごします。
イギリスでは、クリスマスに合わせたテレビの特別番組が放送されることも、この季節の楽しみです。
また、英国君主によるクリスマスメッセージも、長く続いている伝統の一つとなっています。
にぎやかな食卓の後には、温かなリビングで思い思いの時間を過ごす、外の寒さを忘れ、家でくつろぐひとときも、イギリスのクリスマスらしい風景です。
イギリスのクリスマスに学ぶ、季節を楽しむ住まいづくり

イギリスのクリスマスには、窓辺の飾り付けや暖炉まわりのインテリア、家族が集まるリビングなど、住宅そのものと深く結びついた習慣があります。
日本の住まいに取り入れるなら、飾り付けだけを参考にするのではなく、その背景にある空間のつくり方にも目を向けてみましょう。
窓辺の美しさを室内と外観の両方から考える
イギリスの住宅では、クリスマスになると窓辺にツリーや小さなライトを飾り、室内からも通りからも季節の装いを楽しむ光景が見られます。
ここで注目したいのは、飾り付けだけでなく、窓そのものが住まいの表情をつくっていることです。
例えば、格子の入った窓や奥行きのある窓台は、何も飾っていないときにも外観のアクセントになります。
そこに季節の花や小さな明かりを添えると、室内の暮らしが窓越しに感じられる景色へと変わります。
日本の家づくりでも、窓は採光や通風だけを目的に設けるのではなく、窓辺を楽しむために、次のような工夫を取り入れてみましょう。
- 窓のデザイン: 格子窓や木製の窓枠を取り入れ、外観にアクセントを添える
- 窓の配置: 庭の緑や季節の景色を室内から眺められる位置に設ける
- 窓台の奥行き: 花器や季節の小物を飾るスペースを確保する
- 照明計画: 窓辺に小さなライトを置けるよう、コンセントの位置を考える
- 外からの見え方: 窓の並びや室内の明かりを、外観デザインと合わせて検討する
このように、暮らし方と建築デザインを合わせて考えることで、季節ごとに異なる表情を楽しめる窓辺になります。
クリスマスにはツリーや小さな明かりを飾り、春には花、夏には瑞々しい緑を添えれば、一年を通して暮らしの楽しみが続きます。
暖炉のマントルピースに学ぶ飾る場所のつくり方
イギリスの住宅では、マントルピースが、季節の飾り付けを楽しむ場所として使われています。
クリスマスにはガーランドやキャンドル、カードなどが並び、普段は写真やアート、花器などを飾る場所の一つです。
日本の住まいで暖炉を設けなくても、こうした「飾るための場所」という考え方は取り入れられます。
例えば、次のような工夫です。
- 造作棚: リビングに季節の小物を飾る場所を設ける
- ニッチ: 壁の厚みを利用して飾るスペースをつくる
- ブラケットライト: 花やオブジェを照らして陰影を楽しむ
ニッチは壁の構造によって設置できる位置や奥行きが異なるため、設計段階で確認しておきましょう。
飾るものだけでなく、背景となる壁や照明まで考えることで、季節ごとに表情を変える場所になります。
こちらの記事でも、ブリティッシュインテリアの魅力や特徴を解説しています。
あわせてごらんください。
【関連記事】ブリティッシュインテリアの特徴と魅力を解説|おしゃれなキッチンデザインのポイントも
天井照明だけに頼らず、光を重ねて冬の室内を整える
イギリスの住宅では、天井照明だけでなく、テーブルランプやフロアランプなどを組み合わせたインテリアが見られます。
例えば、ソファの横には読書用のフロアランプ、サイドボードには小さなテーブルランプを置くのも素敵です。
部屋全体を均一に照らすのではなく、過ごす場所に合わせて光を配置すると雰囲気のある空間がつくれます。
こうした照明計画は、クリスマスの飾り付けとも相性がよく、ツリーやフェアリーライトの柔らかな明かりも引き立ちます。
改めて、照明の種類と取り入れ方を確認してみてください。
| 照明 | 取り入れ方 | 設計時のポイント |
|---|---|---|
| テーブルランプ | 棚やサイドテーブルに置く | 家具の位置とコンセント |
| フロアランプ | 椅子やソファのそばに配置する | 読書に必要な明るさ |
| ペンダントライト | 食卓の上を照らす | テーブルとの位置関係 |
| ブラケットライト | 壁面に取り付ける | 壁の下地と配線計画 |
新築時には、家具の配置と合わせてコンセントやスイッチの位置を考えておくと、暮らし始めてから照明を追加する際にも役立ちます。
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まとめ|イギリスのクリスマスから冬の住まいを楽しむヒントを見つける
イギリスのクリスマスには、ご家族で食卓を囲み、毎年少しずつ飾りを増やしながら、冬の時間を楽しむ習慣が根付いています。
窓辺に灯る明かりや、暖炉の上に並ぶクリスマスカードからも、住まいとともに季節を楽しむ英国の暮らしが伝わってきます。
こうした豊かさは、特別な設備だけでなく、季節の花を飾る窓台や、柔らかな光が広がる照明など、日々の暮らしに寄り添う空間からも生まれるものです。
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